株式譲渡と事業譲渡は、売るものと対価を受け取る人が異なります。沖縄の会社を承継するときは、名称だけで方法を選ばず、必要な事業・資産・契約・人員が同じ条件で続くかを比較します。
一般的な確認手順です。取引方法や個別事情に応じて専門家・金融機関・所管窓口と確認してください。
売るものと受領する人を確かめる
株式譲渡では株主が株式を譲ることを基本に考えます。事業譲渡では事業を営む主体が対象の事業・資産等を譲ります。会社の代金と経営者個人の手取りを同じものとして計算せず、株主、資産所有者、借入・保証、売却対象を整理してください。
会社が使う土地建物や車両が代表者個人名義、別法人名義の場合もあります。事業に必要だから当然に対象に入ると決めず、所有、賃借、使用許可と対象範囲を資料で照合します。対象に入れない資産・仕事も明示すると、買い手と同じ前提で比較できます。
株式と事業を同じ台帳で比較する
一般的な違いは次の通りですが、契約の変更条項、必要な手続、個別の責任は原文で確認します。株式が移れば全ての契約が無条件に続く、事業譲渡なら過去の問題と完全に無関係になる、といった判断は避けます。
表は横にスクロールできます。表へ移動して左右キーで確認できます。
| 項目 | 株式譲渡で確認 | 事業譲渡で確認 |
|---|---|---|
| 対象・対価 | 株主、株式数、名義、受領者 | 資産・契約・事業、譲渡主体、受領者 |
| 契約・人員 | 法人が続く前提と変更条項、役員等 | 移す契約、同意、労働契約の手続 |
| 許認可 | 名義・代表・配置等の変更事項 | 承継・新規・届出等の具体手続 |
| 債務・情報 | 会社の債務、保証、目的と権限 | 移す範囲、債権者、利用目的と安全管理 |
契約・雇用・許認可は別々に確認する
店舗の賃貸借、仕入、販売、保守、OTA、リース等は、契約相手、名義、期限、変更・譲渡・解除条項を一覧化します。沖縄の拠点が本島・離島に分かれる場合も、どの契約でどの現場が動くかを施設別に整理します。相手先の同意や事前相談が必要かを早めに確認してください。
労働契約の扱いは取引方法で異なります。事業譲渡で使用者が変わる場合の本人の承諾等を含め、厚生労働省の指針と個別契約を専門家へ示します。許認可も業種ごとの所管窓口へ具体的な方法を説明し、自動承継の有無を一般論で決めません。
税務と手残りは同じ前提で試算する
株主が個人か法人か、株式か資産か、取得費、関連費用、債務、資産の種類、消費税の扱いを税理士へ示します。国税庁は株式譲渡の課税と事業に付随する資産譲渡の消費税等を別に案内しています。一律の税率や受取額で方法の有利不利を決めないようにします。
試算表は、取引対価、受領者、税・費用、借入・保証の対応、追加投資を分けます。希望する個人の生活資金と、会社へ残す運転資金も別です。売却額が同じでも、対象資産や責任、受領先が違えば同じ条件の比較にはなりません。
対象から外す資産を先に確認する
仮定の点検例として、会社株式は譲るが社長個人所有の建物を残す場合を考えます。買い手が営業を続けるための賃貸条件、修繕、保証、更新と退去を別に確認します。これは実在の成約事例ではなく、取引対象と営業継続の前提を分けるための例です。
交渉を進める前に、二つの方法で対象・同意・手続・税・残る仕事を表にし、未確認を明記します。顧客・従業員情報は目的と安全管理を確認し、NDAだけで広く渡さないようにします。専門家の回答日と資料の版を付け、方法が変わった場合は同じ台帳を更新してください。
よくある質問
Q. 株式譲渡なら契約や許認可の確認は不要ですか。
A. 会社が続く場合も代表者等の変更や契約の変更条項を確認します。具体的な届出・同意・運営要件は業種と契約に応じて判断します。
Q. 事業譲渡の方が手残りは大きいですか。
A. 対価の受領先、税、取得費、資産、費用、債務等によって違います。同じ対象・責任の前提で試算し、税理士等へ確認してください。
一次資料と関連ガイド
会社売却の工程確認、費用と手残りの確認で、関連する確認資料を整理できます。
編集責任:株式会社M&A Do/沖縄M&A総合センター編集部。個別の契約・税務・労務・制度の判断は専門家へ確認してください。
